ダイエット中、1日に必要なタンパク質摂取量とは?タンパク質の種類の違いや摂取比率をご紹介
ダイエットを進める中で「タンパク質が重要」と耳にすることはないでしょうか。タンパク質は体を作るもとになり、他栄養素と比べて代謝に使われる割合が高いため、ダイエットの強い味方となってくれる栄養素です。
とはいえ、単にタンパク質だけを摂取すればよいというわけではありません。タンパク質には種類があり、どう摂取するのか、他栄養素とのバランスも大切と言われています。
そこで今回は、
- ダイエット中、1日に必要なタンパク質の摂取量
- タンパク質の種類
- 他栄養素とのバランス
について解説します。ダイエット中の食事の参考にしてみてください。
1日に必要なタンパク質摂取量
筋肉を作る主な原材料となるタンパク質。ダイエットやボディメイク中には不足することなく摂取したい栄養素のひとつです。
ダイエット中には食事管理が大切ですが、節制するあまりタンパク質摂取量が減少してしまうケースもあります。タンパク質不足は筋肉量の減少につながることもあり、筋肉の減少によって代謝の低下を引き起こす可能性も考えられるので注意が必要です。
では、どの程度タンパク質を摂取すればよいのでしょうか。厚生労働省が発表している食事摂取基準では、
- 成人男性の推奨摂取量:65g
- 成人女性の推奨摂取量:50g
とされています。
ここでご紹介した推奨摂取量のうち、30g以上を朝食で摂ることも可能です。詳しくはこちらの記事にまとめているため、ぜひご覧ください。▼
オススメ高タンパク朝食をご紹介!
食品別のタンパク質含有量
タンパク質が多く含まれるのは肉や魚、大豆製品などです。実際にタンパク質量を食品別にみていきましょう。
牛肉(ヒレ)
100gあたり
エネルギー(kcal) | タンパク質(g) | 脂質(g) | 炭水化物(g) |
207kcal | 19.1g | 15.0g | 0.3g |
鶏肉(もも)皮なし
100gあたり
エネルギー(kcal) | タンパク質(g) | 脂質(g) | 炭水化物(g) |
105kcal | 23.3g | 1.9g | 0.1g |
鶏肉(ささみ)
100gあたり
エネルギー(kcal) | タンパク質(g) | 脂質(g) | 炭水化物(g) |
105kcal | 24.6g | 1.1g | 0g |
太刀魚
100gあたり
エネルギー(kcal) | タンパク質(g) | 脂質(g) | 炭水化物(g) |
238kcal | 16.5g | 20.9g | 0g |
さんま
100gあたり
エネルギー(kcal) | タンパク質(g) | 脂質(g) | 炭水化物(g) |
287kcal | 18.1g | 25.6g | 0.1g |
豆腐(木綿豆腐)
100gあたり
エネルギー(kcal) | タンパク質(g) | 脂質(g) | 炭水化物(g) |
73kcal | 7.0g | 4.9g | 1.5g |
ゆでたまご
100gあたり
エネルギー(kcal) | タンパク質(g) | 脂質(g) | 炭水化物(g) |
134kcal | 12.5g | 10.4g | 0.3g |
ここでご紹介しているのは、高タンパク質な食品と言われているものです。ご覧の通り、どの食品にもタンパク質が多く含まれていることが分かります。
ただ、考えたいのがタンパク質が多く含まれているからといって「ダイエット向きの食品」というわけではありません。脂質が多く含まれている食品だと摂取量によってはオーバーカロリーになる場合もあるので注意が必要です。
さらに以下に示すとおり同じ牛肉でも、ヒレ肉よりバラ肉のほうが脂質が多いです。
牛肉(バラ)
100gあたり
エネルギー(kcal) | タンパク質(g) | 脂質(g) | 炭水化物(g) |
472kcal | 11.0g | 50.0g | 0.1g |
このように「ただ高タンパク質な食品だけを摂取すればよい」わけではないので、他栄養素のことも考えた上でバランスよく摂取することが大切です。
さらにタンパク質は「動物性タンパク質」と「植物性タンパク質」の二種類に分けられます。それぞれの特徴を知り、ダイエットに役立てていきましょう。
動物性タンパク質と植物性タンパク質の違い
動物性タンパク質とは
その名の通り、動物性タンパク質は魚や肉などの動物由来のタンパク質を指します。動物性タンパク質は類・魚介類・卵・乳製品に多く含まれています。
多くの動物性タンパク質は9種類ある必須アミノ酸を含んでおり、効率よくタンパク質が摂れます。しかし動物性タンパク質が含まれる食品には脂質が多いものも多く、ダイエット中には摂り過ぎに注意が必要です。
体内への吸収率は植物性タンパク質と比べて高いです。
植物性タンパク質とは
一方で植物性タンパク質は植物由来のもの。米や小麦、大豆などに含まれているタンパク質を指します。種類によっては野菜や果物にも含まれており、動物性タンパク質と異なり脂質が少なくものによっては高タンパク質なものもあります。
タンパク質を摂りすぎると太る原因になる?
タンパク質はダイエット中に欠かせない栄養素のひとつですが、どの栄養素にも言えるように「タンパク質摂取ばかりに着目して高カロリーな食事からタンパク質を摂取しようとする」といったような偏った摂り方だとダイエットにも影響が出るでしょう。
特に気を付けたいのは、選ぶ肉の種類や部位、食べる量によっては摂取カロリー過多になりやすいという点。タンパク質をより多く摂取したいがあまり、分量そのものを増やしてしまうと同時にソースや一緒に食べるごはんなどの糖質・脂質の摂取量も上がり、その結果カロリーオーバーになり肥満を招くことも考えられるでしょう。
タンパク質を摂りすぎると太る原因になるか、というと「場合によっては原因のひとつになる」が回答です。ダイエット中は摂取カロリーを抑えつつ、高タンパク質な食事を心がけましょう。
ダイエット中のタンパク質摂取には「PFCバランス」を意識して
タンパク質はダイエット効果を高めるために、強い味方になることを解説しました。同時に「タンパク質だけに偏って摂取する」のではなく5大栄養素をバランスよく摂ることが最終的には大切です。
その中でも3大栄養素(PFC)の総摂取量や摂取バランスがボディメイクでは重要。ここからはPFCバランスについてご紹介します。
PFCバランスとは
PFCとはP…Protein(タンパク質)F…Fat(脂質)C…carbohydrate(炭水化物)の頭文字のことです。
このタンパク質、脂質、炭水化物は3大栄養素と呼ばれます。
PFCバランスとは食品から摂取するカロリーのうち、三大栄養素から摂取するカロリーの比率のことです。
ダイエット中の状況で推奨される、それぞれの目標摂取比率を見てみましょう。
タンパク質:体重(kg)×1.5~2
脂質:目標摂取カロリーに対して25%
糖質:目標摂取カロリーからタンパク質と脂質を差し引いた残りのカロリー相当
目標摂取カロリーについてはこちらの記事を参考に▼
1日の目標摂取カロリーの目安(ダイエット時) | Muscle Deli
なぜPFCバランスを知っておく必要があるのかというと、「ダイエット中だから高タンパク質の食品だけを摂る」「脂質を完全にゼロにする」といったダイエット方法だと栄養の偏りがみられるからです。PFCバランスの乱れたダイエットだと、一時的に体重は減るかもしれないけれどリバウンドしたり、特定の栄養素を制限したために健康に影響が及んだりとダイエットの効果が正しく得られません。理想のPFCバランスを知った上でダイエットに取り組むことが重要です。
P(protein/タンパク質)
タンパク質は骨や皮膚、筋肉などの素になる栄養素です。人間の体は水分の次にタンパク質が多いと言われています。
タンパク質は体内に摂取されたあと、「アミノ酸」という物質に分解されます。
からだを構成するアミノ酸は全部で20種類あり、そのなかでも必須アミノ酸といわれる9種類のアミノ酸は、食事からでしか補えません。
そのためタンパク質を効率よく摂るにはアミノ酸が豊富に含まれている食品を選ぶようにしましょう。
F(fat/脂質)
脂質とは体内のエネルギー源になり、ホルモンや遺伝子の材料にもなる栄養素です。体温調節や栄養素の合成などさまざまな役割を持ちます。
ダイエット中だとタンパク質や炭水化物と比較して高カロリーで、過剰に摂取されれば、体脂肪として蓄えられるので、嫌悪されがちな印象です。しかし、脂質摂取を完全にカットすると栄養が偏る影響が懸念されるため、適量を摂取するようにしましょう。
飽和脂肪酸
脂質には二つの種類があり、その一つが飽和脂肪酸です。飽和脂肪酸は肉や乳製品の油であり、常温だと個体という特徴があります。
不飽和脂肪酸
もう一つは不飽和脂肪酸。こちらは植物や魚介由来の油で常温だと液体である場合がほとんど。体内で合成できないため、食事から摂取するべき「必須脂肪酸」が含まれています。
不飽和脂肪酸の中には「トランス脂肪酸」というものもあり、これはとりすぎた場合健康に悪い影響があると注目されています。特に欧米人ではトランス脂肪酸の過剰摂取によって健康への被害が報告されていることもあり、可能であれば避けておくとよいでしょう。
C(carbohydrate/炭水化物)
炭水化物は体や脳を動かすエネルギー源です。主食である白米や麺、芋類などに含まれ、特に砂糖など甘いものにも含まれています。
炭水化物は脂質とタンパク質よりも優先的に消化吸収されるので、必要以上に摂取しないよう注意が必要。炭水化物をもとに脂肪が合成されるので、過剰に摂取すると脂肪の蓄積を助けるおそれがあります。
高タンパク質のおすすめの食事をご紹介
ここからはPFCバランスをダイエット・ボディメイク向きにした、おすすめの食事をご紹介します。
すべて管理栄養士が監修したマッスルデリのメニュー。トランス脂肪酸フリーでつくられています。ダイエットをおいしく楽しく、健康的にサポートする食事の一部をぜひご覧ください。
デミグラスハンバーグセット
デミグラスハンバーグ、5種の豆とブロッコリーの温サラダ、玄米ご飯
マッスルデリ人気のハンバーグメニューに新しい味が加わりました。洋食店からファミリーレストランまで、幅広い層のお店で定番となっている「デミグラスソース」使用のハンバーグです。ソースには隠し味で赤ワインを使用し、コクと旨味をアップ。 副菜は、サッパリとした味付けの5種の豆とブロッコリーの温サラダです。
栄養素 | LEAN(減量用) | MAINTAIN(維持用) | GAIN(増量用) |
カロリー(kcal) | 406kcal | 535kcal | 729kcal |
タンパク質(g) | 31.8g | 41.8g | 55.0g |
脂質(g) | 14.2g | 18.7g | 24.7g |
炭水化物(g) | 37.5g | 49.7g | 71.5g |
糖質(g) | 33.5g | 44.3g | 64.2g |
鶏キムチセット
鶏キムチ、小松菜と卵の炒め物、玄米ご飯
ボディメイクのパートナー「鶏肉」をピリ辛のキムチと一緒に炒めました。鶏肉は皮をとってヘルシーに。隠し味にチーズをトッピングすることで、辛さの中にコクと旨味を加えています。 副菜は小松菜と卵の炒め物。生姜を加えた中華風の味付けです。
栄養素 | LEAN(減量用) | MAINTAIN(維持用) | GAIN(増量用) |
カロリー(kcal) | 418kcal | 541kcal | 687kcal |
タンパク質(g) | 36.3g | 47.8g | 57.4g |
脂質(g) | 14.8g | 18.8g | 22.5g |
炭水化物(g) | 34.1g | 44.0g | 62.2g |
糖質(g) | 29.1g | 37.7g | 54.7g |
さわらとエリンギのカレーソテーセット
さわらとエリンギのカレーソテー、アスパラの胡麻サラダ、玄米ご飯
良質なタンパク質がとれるさわらがカレーソテーになり、食欲をそそります。
栄養素 | LEAN(減量用) | MAINTAIN(維持用) | GAIN(増量用) |
カロリー(kcal) | 400kcal | 531kcal | 662kcal |
タンパク質(g) | 32.7g | 43.7g | 55.1g |
脂質(g) | 15.0g | 20.0g | 24.9g |
炭水化物(g) | 33.0g | 43.4g | 53.5g |
糖質(g) | 28.9g | 37.8g | 46.4g |
ダイエット・ボディメイク中でも簡単に高タンパク質低カロリーの食事が宅配で手軽に摂れるマッスルデリ
まとめ
ダイエット中に積極的に摂取したいタンパク質。ですが、高タンパク質だけにこだわって食事の栄養バランスが極端に偏ると、ダイエットが失敗する可能性が高くなるだけでなく健康にも悪影響が出る場合があります。
ダイエット中の食事に栄養面では気を付けるべきポイントがいくつもありますが、毎日の生活の中で栄養をコントロールし続けるのは難しいですよね。
マッスルデリでは忙しい方でも気軽にダイエットを続けられる、栄養バランスの整った食事をご提供。今回ご紹介した以外にも高タンパク質で低カロリー、考え抜かれた栄養バランスのメニューを50種類以上用意しています。
リバウンドすることなくダイエットを継続したい方、理想のボディスタイルを健康的に手に入れたい方は、まずは自身の目的にあったプラン選びから始めてみましょう。
【参考】
ダイエット中にタンパク質をおすすめする理由と摂取量について | グロングマガジン
タンパク質とは?特徴や種類、体を作る働きについて | POWER PRODUCTION MAGAZINE(パワープロダクションマガジン)
タンパク質の摂りすぎは危険!?過剰摂取による影響とは | POWER PRODUCTION MAGAZINE(パワープロダクションマガジン)
ダイエット中の食事は「PFCバランス」が重要!たんぱく質・脂質・炭水化物の量を見直す計算方法 | 健康×スポーツ『MELOS』